家事の効率化と環境負荷の低減を両立させようと考えた私が選んだのは重曹を用いたトイレタンクの洗浄法でしたがその選択がわが家の家計に深刻なダメージを与えることになろうとは思いもしませんでした。私は化学洗剤の強い匂いが苦手で家中をナチュラルクリーニングで統一しておりトイレのタンクも例外ではなく毎週土曜日にはたっぷりの重曹を注ぎ込み汚れを予防しているつもりでした。しかし数ヶ月が過ぎた頃からトイレから聞こえてくる給水の音が以前よりも高くなり水が止まるまでの時間が明らかに伸びていることに気づきましたが私はそれを単なる経年劣化だと思い込みさらに掃除を徹底しようと重曹の量を増やしてしまったのが決定的なミスでした。ある日の夜中にトイレから水が噴き出すような異音がして駆けつけるとタンクの蓋の隙間から水が溢れ出し床が水浸しになっているという地獄のような光景が広がっており私はパニックになりながら止水栓を探し回る羽目になりました。翌朝に駆けつけた修理業者の診断によれば重曹が原因でボールタップのフィルタが目詰まりを起こしさらには浮き球の可動域に重曹の結晶が石のように固着して機能停止していたことが原因でした。業者の方は苦笑いしながら重曹は溶けにくいのでタンクの底で固まってしまうんですよと教えてくれましたが実際に取り出された部品にはコンクリートのように硬くなった白い塊が付着しており到底自分の手で直せる状態ではありませんでした。この一件でボールタップ一式と劣化したパッキン類の交換に加え水浸しになった床の清掃と乾燥作業を余儀なくされ総額で五万円を超える手痛い出費となりました。エコな暮らしを目指していたはずが結局は新しいプラスチック部品を消費し多額の現金を支払うという最も非効率な結果を招いてしまい私は自分の浅はかな判断を呪いました。インターネットの世界には誰でも手軽にできる裏技が溢れていますがその背後に隠されたリスクや機械装置としての許容範囲を正しく理解していなければそれは単なる破壊行為になりかねません。特にトイレという生活に不可欠なインフラにおいて自己流のメンテナンスがいかに危険であるかを私は身をもって学びましたしこれから重曹掃除を試そうとしている人にはその粉末がタンクの中でどのように振る舞うかを今一度想像してほしいと心から願っています。